コインランドリー経営を成功させるためのポイントは?

土地活用の手段として注目されているのがコインランドリー経営。

 

コインランドリー経営は店舗の準備に手間と費用がかかるものの、ランニングコストが安いため、不動産の活用に詳しくない人でも始めやすいといわれています。利回りも15%ほどと高く、軌道に乗れば安定した収益が期待できます。

 

ただ、初期費用として1,000万円から2,000万円は必要となるため、基本的にまとまった初期費用が用意できる人向きの活用法です。
また、同じ土地活用でもアパート経営とは勝手が大きく違うため、同じような感覚で挑むと痛い目を見ることになります。

 

今回はコインランドリー経営の特徴や基本的な進め方、アパート経営との違いなどについて解説します。

 

コインランドリー経営のメリット・デメリット

知コインランドリーはセルフサービスで洗濯ができるお店です。お金を入れることで使えるようになる洗濯機や乾燥機が置いてあります。
一回の利用にかかる費用は300円ほどで、家庭用のものより大きく高機能な業務用の洗濯機・乾燥機が手軽に利用できます。

 

●メリット
・ランニングコスト
コインランドリー経営のメリットとして最もよくあげられるのが「ランニングコストの安さ」です。

 

セルフサービスのため、スタッフの常駐は不要。利用者が自分でお金を入れて自分で洗濯機を動かします。受付も案内も必要ありません。店舗に人の手が必要となるのは、清掃や洗剤の補充ぐらいです。スタッフを雇わなくてもオーナー自身で対応できる程度ですから、スタッフを確保するために求人をかけたり面接をしたりする必要もありません。

 

コインランドリー経営で発生するコストとしては、電気・水道・ガスなど費用や、洗剤の購入費が主になります。

 

・利回り
ランニングコストの安さは、利回りの良さに直結します。
コインランドリー経営のランニングコストは他の土地活用よりも効率がよく、15%になるとされています。初期費用は多くかかるものの、利回りが良いため回収できるまでの期間も比較的短いです。

 

・料金が回収しやすい
コインランドリーではお金を入れなければ洗濯機が使えません。コインランドリーの利用と当時に料金が現金で回収できます。

 

アパートなど賃貸経営の場合、家賃が未回収となるリスクがあります。家賃が未払いでも、大家はすぐに住人を追い出すことはできません。料金が確実に、しかも現金でタイムラグなく回収できるというのは重要なポイントです。

 

・安定した需要
景気の善し悪しに需要が左右されにくいのも魅力です。
景気が悪化しても洗濯をしないわけにはいきません。コインランドリー経営のように、生活に密着した業種は浮き沈みが大きくありません。

 

雨が降ったり天気が悪くなったりすると売上が伸びるのも面白いところです。
多くのお店は雨になると客足が鈍るのですが、コインランドリーの場合は雨や雪など洗濯物が乾きにくいような天気になると売上が伸びます。
梅雨が長い地域や、冬場に積雪の多い地域は他よりもコインランドリーの需要が高いです。

 

・運営負担が少ない
コインランドリーを運営するにあたって、日常的に必要となる業務は清掃と洗剤の補充、後は料金の回収ぐらいです。コインランドリーに一日中いる必要はありません。

 

洗濯機など設備の管理や修理、利用者同士のトラブルの予防と解決、宣伝などは適宜必要となりますが、毎日のことではありません。

 

・節税になる
コインランドリー経営は節税にも繋がります。

 

活用できるのは、生産性向上設備投資促進節税や、中小企業投資促進節税などです。これらを活用すれば、洗濯機などの設備や建物の購入費用を償却できます。

 

・フランチャイズで始めることもできる
どのようにコインランドリー経営を始めたらよいかわからないという場合は、フランチャイズで始めることもできます。

 

フランチャイズに加盟すれば、経営ノウハウだけでなく、ブランドの知名度や信頼も手に入れることができるため、スタートダッシュの負担が少なくなります。もちろんロイヤリティは発生しますが、安心感は大きなものになります。

 

●デメリット
・初期費用がかかる
コインランドリーを始めるためには、洗濯機や乾燥機、両替機などが必要になります。当然建物もつくらなければなりません。
更地からコインランドリーを始める場合、初期費用として1,000万円から2,000万円は必要になります。

 

・売上盗難のリスク
一度の利用料こそ数百円と少ないものの、利用者が多ければ機器内に貯まる金額もそれなりのものになります。両替機を設置している場合は、紙幣も溜まっていくことになります。
その上コインランドリーはセルフサービスの店です。普段スタッフのいない店内に現金が残されることになりますから、現金が盗難されるリスクは高くなります。

 

盗難を防ぐためには、防犯カメラの設置など、セキュリティ対策が必要となります。

 

・利用者同士のトラブル
スタッフのいない店舗に利用者が出入りすることになるため、マナーの悪い利用者がいると利用者同士でトラブルになる可能性があります。
設備を壊されたり、汚されたりする場合もあります。

 

こうしたトラブルを防止するためには、現金盗難対策と同じように防犯カメラなどの対策が有効です。セキュリティ会社と契約するのも良いでしょう。

 

・参入が容易
コインランドリー経営はノウハウがない素人でも初期費用さえあれば始められます。それは他の投資家にとっても同じです。比較的簡単に始められるため、常に顧客を取られてしまうリスクを抱えることになります。

 

もしコインランドリーが繁盛しているようであれば、その地域ではコインランドリーの需要が高いということです。近隣に似たようなコインランドリーができれば、利用者が流れてしまいます。しかも、後追いでコインランドリーを始めようというのですから、ライバルに勝てるように最新の設備を導入したり、魅力的な特典を準備したりなど様々な工夫を凝らしています。

 

このようにライバル店が出現した時にどういう対策を取るかと言うのは、コインランドリー経営において重要なターニングポイントとなります。対抗策がなければ、そのまま顧客を取られておしまいです。

 

コインランドリー経営を成功させるには

●コインランドリー経営とアパート経営の違い
コインランドリーの利回りは平均で15%。初期費用を回収するのにかかるのは7年から10年ほど。一般的な不動産投資よりも高い利回りです。
ただ、もし収支を試算してもこの利回りに届かないようなら、コインランドリーは諦めた方が良いかもしれません。

 

コインランドリーを始めるためには1,000万円以上の初期費用がかかります。もしこれを回収できなければ、大きな損失となってしまいます。
賃貸経営の場合も、最初に部屋を手に入れるのにまとまった初期費用がかかるという点では同じですが、利回りがもう少し悪くても問題ありません。

 

コインランドリー経営と賃貸経営の大きな違いは、一人あたりの利用料の差にあります。賃貸経営の場合、一人部屋に入れば一ヶ月で数万円の賃料が入ります。一方のコインランドリーは一回数百円。薄利多売の商売です。
賃貸経営であれば、顧客一人確保できれば数万円の収入が得られます。しかし、コインランドリーの場合は十分な集客がなければ軌道に乗せるのは困難です。

 

●コインランドリーの利用者は誰か
集客が重要なコインランドリー経営で最初に考えなければならないのは「誰が利用するか」ということです。

 

一般的にコインランドリーの利用者として想像されるのは、洗濯機のない狭い安アパートに住んでいるような若者です。

 

今時、大抵の家に洗濯機があります。

 

わざわざ外でお金を払ってまで洗濯機を利用するのですから、「家に洗濯機がない人」を利用者として想像するのは無理もありません。

 

実際、そうした人たちもコインランドリーを利用しています。

 

しかし、近年増えているのはコインランドリーを利用する主婦です。

 

特に子どものいる世帯の利用が増えています。

 

一人暮らしならまだしも、2人以上の家庭であれば家に洗濯機があるはずです。

 

なぜわざわざコインランドリーを利用するのでしょうか?

 

その理由は、共働き世帯の増加にあります。

 

共働き世帯では、家事に使える時間は限られます。

 

自分の時間を確保しようと思ったら、より短時間で家事を終わらせる必要があります。

 

特に子どものいる家庭では洗濯物の量も多くなります。

 

そこで活躍するのがコインランドリーです。

 

コインランドリーの洗濯機や乾燥機は家庭用のものより大容量です。

 

一度にたくさんのものをまとめ洗いできるため、家事にかかる時間を節約できるのです。

 

お金は多少かかりますが、共働き世帯なら時間を節約できるというメリットの方が大きいのです。

 

●コインランドリーにとって良い立地とは?
コインランドリーの利用者層がわかったところで、今度はコインランドリーの立地について考えてみましょう。

 

従来のような一人暮らしの若者を対象とするなら、大学の近くや、単身向け賃貸が集まったエリアが対象になります。
しかし、最近増えている子育て・共働き世帯を対象とするなら、小中学校の近くや住宅街の方が候補になります。コインランドリーを利用している間は待ち時間がありますから、時間を潰せるようなスーパーマーケットの近くなども良いでしょう。

 

また、まとめて選択するためにコインランドリーを利用することを考えると、駐車場の有無も重要になります。
たくさんの洗濯物や大きな毛布などを手で運ぶのは大変です。コインランドリーのヘビーユーザーなら、車で持ち込むことの方が多くなります。駐車場が準備できるぐらいの広さが必要です。コインランドリーの建物を建てて一杯になってしまうような土地では不十分です。

 

まとめると、コインランドリーに適した土地は、小中学校やスーパーマーケットの近くの住宅街にあり、駐車場をつくれるぐらい十分な広さがある土地ということになります。

 

アパートやマンションの場合、駅や公共交通機関が利用しやすいことが第一条件になります。多少狭くても交通の便が良ければ集客が見込めます。しかしコインランドリーでは、交通の便の良さよりも、土地の広さが大切になります。

 

土地活用の成功は「立地の良さ」が大きく左右しますが、コインランドリーとアパート・マンションでは評価の基準が全く異なります。駅から遠くアパートに向いていない土地でも、コインランドリーならうまくいくかもしれません。

 

コインランドリーの初期費用とランニングコスト

●初期費用
コインランドリーを更地からつくる場合、費用は1,000万円から2,000万円ほどかかります。

 

主な内訳は以下の通り。
・業務用コイン式全自動洗濯機:1台あたり10万円〜20万円
・業務用乾燥機:1台あたり50万円〜80万円
・スニーカー専用など特殊な乾燥機:1台20万円ほど
・両替機
・待つためのテーブルや椅子
・エアコンなどの空調
・建物

 

建物以外のものを揃えるのに、500万円は必要になります。コインランドリーに転用できる建物がある場合でも、初期費用はそれなりの金額になります。

 

●ランニングコスト
コインランドリーを運営するために必要となるコストには次のようなものが考えられます。

 

・電気、ガス、水道などの光熱費
・洗剤などの消耗品
・清掃費用(委託する場合)
・修繕費用
・防犯カメラ
・セキュリティ会社との契約

 

防犯カメラやセキュリティ会社との契約はなくても運営できますが、利用者間トラブルや現金盗難の予防に繋がります。余裕があるなら導入を検討しても良いでしょう。

 

●コインランドリーの節税効果
ランニングコストと初期費用の話をしたついでに、税金についても触れておきましょう。

 

コインランドリーをつくれば、更地のままにしておくよりも相続税は安くなります。

 

節税措置の一つに、小規模宅地等の特例というものがあります。土地相続時に発生した相続税が払えず、土地を手放さざるを得なくなってしまうという事態を避けるためのもので、アパートや店舗などが対象となっています。コインランドリーの場合、400平方メートルまでを対象に、相続税評価額が80%軽減されます。1,000万円の評価がついた土地でも、この特例の対象となれば200万円の評価に対する相続税になります。
更地の場合は特例の対象となりません。もし相続制の基礎控除額を超える財産があるのなら、コインランドリー経営を始めるなど、小規模宅地等の特例が利用できるような節税対策が有効です。

 

コインランドリー経営で失敗しないためには

魅力的な土地活用法としてもてはやされることの多いコインランドリーですが、当然うまくいかないこともあります。

 

よくあるのが、固定費が多くかかって想定よりも利益が少ないというもの。
思ったより集客ができなかったり、ライバル店が登場したことで売上が落ちてしまったりすることもあります。天候によって売上に影響が出るため、運任せの部分があるのも難しいところです。

 

コインランドリー経営を始める前には、必ず入念なシミュレーションを行いますが、それでも想定外のことは起こるもの。予想外のことが起きた時のために、ギリギリではなくある程度の余裕を持っておくことが大切です。

 

フランチャイズやコインランドリー経営を勧めてくる業者の多くは「確実に儲かる」との触れ込みでやってきますが、そんなにうまい話はありません。彼らの出してくるシミュレーション結果を鵜呑みにせず、様々なリスクを考え、客観的に考えてみることが大切です。

 

コインランドリー経営を始めるための手順

コインランドリー経営について基本的なことがわかったところで、次は開業までの大まかな流れを見ていきましょう。

 

●計画
まず大切なのが計画をしっかり立てること。

 

立地はコインランドリーに向いているのか、集客はどのぐらい見込めるかを考えてみます。店内の設計や洗濯機の数、仕入れる洗剤の種類なども決めなくてはなりません。開業時に必要なお金のことだけでなく、ランニングコストの試算も大切です。
シミュレーションの後、十分な利回りが期待できそうだとわかったら、次の段階に移りましょう。

 

●店舗の準備をする
更地の場合は業者に頼んで建物をつくらなければなりません。既存の建物を流用する場合も、改装は必要になります。どんな業者に依頼するかも自分で決める必要があります。

 

コインランドリーの外側ができたら、今度は内側の準備もします。
洗濯機や乾燥機は一度に購入するとかなりの出費になるため、リースを活用する手もあります。設備を購入して償却するのが良いのか、リースにして初期費用を抑える方が良いのかは資金計画によって異なります。

 

●保健所に届け出を出す
コインランドリー開業の際には。保健所に「コインオペレーションクリーニング営業施設開設届」を提出します。提出の際には、構造設備の概要や洗濯機の配置図なども必要になります。

 

届出後、問題がなければ保健所の検査済証を受け取れます。

 

●開業と宣伝
洗濯機があってもアピールをしなければ集客はできません。最低限看板や店の前に建てるのぼりや旗は準備しましょう。
オープンにあわせてチラシを配ったり、インターネット上で広告を出したりするのも効果的な手段です。予算にあわせて宣伝の規模を決めましょう。

 

土地に合わせた土地活用を

コインランドリー経営は、設備と建物の準備に費用がかかるため、まとまった初期費用を準備できる人向けの土地活用法です。

 

開業まで手間もお金もかかりますが利回りはよく、開業してしまえばあまり手間もかかりません。一度軌道に乗れば安定して収益が期待できるのは大きなメリットです。

 

土地活用を成功させるためには良い条件の土地であることがかかせませんが、同じ土地活用でも、アパート・マンションに向いた土地と、コインランドリーに向いた土地は異なります。
土地活用で成功するためには、その土地にあった方法で活用することが大きなカギになります。

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