ワンルームマンション投資のリスク

ワンルームマンション投資のリスク

ワンルームマンション投資のリスク

不動産投資をするサラリーマンによく持ちかけられるのが、ワンルームマンションへの投資です。

 

一部屋だけならマンションやアパートを一棟買うよりもずっと安上がりでリスクも少なく、管理を業者に任せれば何もしなくても家賃収入が入ってくると説明させることでしょう。
家賃保証があれば空き室になっても最低限の収入が保証されます。更に、数十年後に物件を買い取るという保証をつけ、手放すときも安心だというアピールがある場合もあります。

 

業者の説明通りだとすれば、リスクが少なく手間もないワンルームマンションの投資はサラリーマンにとって理想の不動産投資です。あまり投資に興味がなかった人も、美味しい話を聞くうちに投資に興味を持ってしまいます。

 

しかし、安易に不動産投資を初めて失敗したという話は後を絶ちません。特にワンルームマンションの投資や区分マンションの投資は失敗の可能性が非常に高いです。
不動産投資は失敗すると数百万円から数千万円を失う可能性があります。安心で低リスクだという話を鵜呑みにして良い金額ではありません。
不動産業者のセールストークにのせられてしまう前に、一度冷静になりましょう。

 

今回は、ワンルームマンションの投資のデメリットや注意点について解説します。

 

業者の語るワンルームマンション投資のメリットとは?

最初に、不動産業者の話すワンルームマンション投資のメリットにはどのようなものがあるか確認してみましょう。

 

ワンルームマンション投資の利点として挙げられるのは主に次のようなものです。

 

・年金の代わりになる
・節税効果がある
・資産形成になる
・銀行よりも資産運用の効果が高い
・一部屋ならばリスクは低い
・家賃保証があれば空き室になっても安心
・買い取り保証があるので手放しやすい
・人気エリアの物件は価格が下がりにくい
・ちょうど今良い物件を抑えているところ

 

年金の代わりになる

ローンの支払いが終われば、家賃により安定した収入が得られます。

 

退職のタイミングとローン完済のタイミングを合わせれば、年金がもらえるまでの期間に家賃収入を生活費としたり、年金収入の足しにしたりすることもできます。
年金の支給開始がどんどん後ろにずれていく可能性が高いことを考えると、家賃収入は非常に心強い存在です。

 

将来の不安を抱えている人にとって、老後の生活の助けになる不動産投資は魅力的にみえます。

 

節税効果がある

不動産投資を勧められる理由として節税効果を上げるケースも多いです。

 

家賃収入が増えるため税金は増えると思うかもしれませんが、不動産経営にかかる経費や建物の減価償却により、申告する所得は書類上マイナスになります。確定申告をすれば、本業だけの収入があるときよりも、所得税と住民税は軽減されることになります。収入は増えるのに税金は減るのですから、これほど良い話はありません。

 

資産形成になる

銀行に預けたお金の価値は、インフレやデフレによって変化します。

 

万が一急激なインフレがおこった場合、預けていた財産の価値がぐっと減ってしまいます。
しかし、立地や条件の良い人気の不動産であれば、資産価値が急落する可能性は低いです。家賃収入も安定したものが望めます。

 

銀行よりも資産運用の効果が高い

超低金利が続き、銀行にお金を預けたところで資産は増えません。将来のために、お金を貯めるだけでなく積極的に投資をするべきという主張にも一理あります。ワンルームマンション投資の利回りは、新築で2〜3%、中古の場合は4〜6%とされています。

 

また、株やFXに比べると自己資金は必要になるものの、一気に資産を失ってしまうリスクは低いです

 

一部屋ならばリスクは低い

一部屋だけの購入であれば、マンション一棟購入するよりもずっと少額で済みます。マンション一棟購入するとなると、数億円の借金になりますが、一部屋なら数千万円です。
条件が良ければ自己資金ゼロでも不動産投資をはじめることも可能です。

 

家賃保証があれば空き室になっても安心

不動産投資で最も怖いのが空き室です。
このリスクを解消するのがサブリース契約です。空き室になっても最低限の収入が保証されるため、不動産投資のリスクを更に抑えられるとされています。

 

買い取り保証があるので手放しやすい

不動産投資の利益が確定するのは、不動産を売却できたタイミングです。安定した家賃収入を得られてもそこで終わりではありません。

 

新築の物件も、10年経てば空き室になりやすくなります。そこで、10年後や15年後のタイミングで買い取りの保証をつけることで、空き室への心配を解消してくれます。
もし購入時とあまり変わらない金額で手放すことができれば、ローンの返済分が利益になります。

 

人気エリアの物件は価格が下がりにくい

駅からの距離が近い物件や、住みたい街ランキングにのるような立地の物件なら、年数が経過しても家賃や売却価格が急落する心配は少ないでしょう。
もし数年後に購入時の金額よりも高く売ることができれば、大きな利益を得ることができます。

 

ちょうど今良い物件を抑えているところ

「〇〇さんのために良い物件を抑えているところです」というのは、最後の人押しとしてよく使われるセリフです。不動産投資はタイミングが重要で、買い時売り時を逃してしまうと大損してしまうことも少なくありません。また、他の人も注目している良い物件だと聞くと、誰かに取られてしまうよりも先に手に入れたくなってしまうのは人の性でしょう。

 

ワンルームマンション投資の注意点

ワンルームマンションの投資は低リスクで安定しており、不動産業者のいう通りであれば安心して行える投資です。
それにもかかわらず不動産投資で失敗してしまう人が絶えないのは、業者はリスクをしっかりと説明していないからです。
ここからは、ワンルームマンション投資の嘘と、デメリットについて詳しく紹介してゆきます。

 

一部屋のみはかえってハイリスク

マンションをまるまる購入するよりも一部屋だけの方が少額でリスクが低いと説明されることが多いのですが、事実は全くの逆です。

 

一部屋しか所有していない場合、退去があればすぐに不動産収入がゼロになってしまいます。その上、新たしい人を入れるための修繕やクリーニングも必要になります。収入がなくなるだけでなく、出費も発生してしまうのです。

 

この事態を防ぐためには、複数の部屋を所有する必要があります。所有する部屋が多ければ多いほど、一人の退去者によって収入が大きく変動するリスクを抑えることができます。部屋が少なければリスクが低いという考え方とは真逆です。

 

サブリース契約はデメリットの方が大きくなりやすい

空き室により収入が途絶える心配があるのなら、サブリース契約で家賃の保証をつければ良いと思うかもしれません。しかし、サブリース契約は多くの人が思っているような親切な仕組みではありません。

 

まず、新築物件であればよほど条件が悪くない限り、10年は入居者が長く途切れる心配はありません。
サブリース契約をすると、家賃から手数料が差し引かれます。手数料は10〜20%と、なかなか無視できない金額です。入居者がいる間は、サブリース契約は損でしかありません。ただ業者に利益を吸い取られるだけです。

 

それでも、空き室が目立ちやすくなる10年後にはサブリース契約が意味を成すと考えるかもしれませんが、それは甘いです。
サブリース契約による家賃保証の金額は、数年ごとに見直しがあります。たとえ30年20年で一括契約したとしても、契約書を見れば何年かごとに保証金額の見直しがあると書かれているはずです。

 

保証金額は年数が経過すればするほど少なくなります。保証額減額に反対するとサブリース契約を打ち切られてしまうため、オーナーは業者のいうことを聞くしかありません。

 

サブリース契約の注意点これだけではありません。管理はサブリース契約をした業者が行うことになるため、礼金も業者のものになります。また、中には入居後1、2ヶ月分の家賃を業者のものとする免責期間をつける契約となっている場合もあります。

 

安心感を求めてサブリース契約をしてしまう人も多いのですが、実際は業者においしいところを持っていかれてしまう仕組みになっています。サブリース契約を巡る裁判もおこっており、安易に契約してしまうのは危険です。

 

新築はプレミア価格で割高

新築・築浅というだけで入居者は集まりやすいです。不動産投資は入居者が途絶えないかどうかが肝ですから、やはり新築物件というのはそれだけで魅力的にみえるものです。マンションの投資で勧められるのもほとんどが新築の物件です。

 

しかし、新築物件は資産価値に比べて割高です。広告やパンフレット、人件費などの宣伝費用が上乗せされています。購入直後に売却を決めたとしても、購入価格よりも2〜3割低い売却価格になります。2000万円の新築マンションの場合だと、購入した瞬間に400万円から600万円損をしているということになります。損を取り返すためには上手な運用が必要になりますが、この金額を取り戻すのは至難の業です。

 

家賃収入はどんどん下がる

築年数が経過するのに合わせて家賃を下げなければ人は入りません。

 

同じような立地で同じような間取りの中古住宅の家賃をよく調べて見ましょう。10年後、20年後、30年後の家賃がどうなっていくかわかるはずです。
地方ではすでに物件が余りがちです。都市部でも30年後は今よりずっと物件が余っているかもしれません。今築30年の物件と同程度の家賃設定でいられるかどうかも怪しいものです。

 

家賃が下がれば、たとえ入居者がいても収入は減り続けます。
もし一定の家賃を確保しようというのなら、リフォームや設備の更新などの投資を続けなければなりません。

 

同じマンション内で値下げ競争が始まる可能性がある

築年数が経った部屋に人を呼び込むためには、家賃を下げなければなりません。

 

同じマンション内に複数人の賃貸オーナーがおり、その中で空き室が増えるようになると、家賃の値下げ合戦に繋がります。
同じマンションであれば、1階や角部屋でない限り当然に選ばれるのは一番安い部屋です。競争に勝つには一番安くするしかありません。
一度値下げ競争が始まってしまうと、なかなか値下げは止まりません。空き室で利益ゼロになるよりは安くても人が入るに越したことはありませんから、当初の計画よりもずっと低い家賃になっても値下げ競争を続けざるをえなくなってしまいます。

 

マンションの修繕と大規模修繕積立金

投資目的に限らずマンション購入時に気をつけなければならないのが大規模修繕工事の問題です。

 

マンションではおよそ10年に一度のペースで大規模修繕工事を行います。外壁の再塗装や防水工事、洗浄などは定期的に行わなければならないからです。
工事のための費用は修繕積立金として毎月管理費と一緒に徴収されます。

 

投資目的のマンションの場合、利回りをよく見せるためにこうした積立金や管理費を低く設定していることが非常に多いです。
工事に必要な積立金が足りなければ、工事のタイミングで一括払いすることになるため、10年に一度は大きな出費を求められることになってしまいます。

 

特に厄介なのが、自分自身が住むためにマンションを購入した人と、投資目的で購入した人が同じマンション内に混在している場合です。
自分で住んでいる人は、当然快適な生活のためにしっかりとした修繕工事を希望しますが、投資目的の人からすると、無駄な費用はかけられません。自分が暮らすわけではありませんから、必要最低限の金額しか支払いたくありません。
工事の内容や金額を巡って所有者同士で対立がおこると、修繕工事の遅れや不十分な工事などトラブル繋がります。

 

利回りのために管理費を削っていたり、所有者同士の対立で修繕工事が遅れたりすることが続くと、マンションの環境はどんどん悪化します。
管理が不十分なマンションは人が入りにくく、空き室が続きやすくなります。自分で住むためにマンションを購入した住民で金銭的に余裕のある人の中には、早々に部屋を手放してしまう人もいます。
こうなるとマンションに残るのは、引っ越す余裕も余計に修繕費を払う余裕もない住民と、空き室を持て余すオーナーだけです。たとえ部屋を売却してもたいした値段はつきません。

 

業者の説明する利回り信用してはいけない

不動産業者がマンション投資を進める理由の一つに、銀行よりもずっと利回りが良い、というものが挙げられます。銀行に預けても、利回りは良くて1、2%。しかしマンション投資であれば5%もの利回りがあるというのです。

 

しかし話をよくよく聞いてみればわかるように、不動産業者の説明するシミュレーションは楽観的すぎて、現実的なものではありません。
そもそも、不動産の投資というものは、不動産の売却時にはじめ利益が確定します。いくら順調に家賃収入を得ていても、売却時に大損しているようでは意味がありません。
不動産業者の話す利回りは、入居者が途切れず、なおかつ売却時もあまり不動産価格が下がっていないという夢物語のような想定のものばかりです。なかには都合の良すぎるシミュレーションに銀行からの指導が入ったケースもあります。

 

マンションを購入すれば、税金の支払いも、大規模修繕工事のための積立金も必要になります。出ていくお金はローンの支払いだけではないのです。肝心のローンの金利も、いつまで低金利が続くかはわかりません。
重要な収入源である家賃も、築年数の経過にあわせて下げていかなければ、入居者がいなくなってしまいます。物件の価格自体も経過年数とともにどんどん下がります。売却そのものにもコストがかかることも忘れてはいけないでしょう。値下がりだけでなく、手数料や印紙代も考慮に入れなくてはなりません。
不動産業者の語る利回りにはこうした当たり前の物事ですら抜け落ちてしまっているのです。

 

そもそも、利回りの表記事態が怪しいです。
不動産業者の示す利回りは「表面利回り」というもので、年間家賃収入を物件価格で割ったものに100をかけた数字です。
マンションの修繕費用や固定資産税、購入時の手数料などが含まれておらず、はっきりいってあまり意味のない数字です。

 

本当にマンションの利回りを知りたいのであれば、「実質利回り」を見なければなりません。実質利回り配下のように計算します。
実質利回り=(満室時の家賃収入×空室率-諸経費)÷(物件価格+購入時の諸費用)×100
新築の場合、利回りは1〜2%程度にしかなりません。マンション購入にローンを組んでいる場合、高確率で赤字になります。

 

ワンルームマンション投資は節税効果が非常に低い

たとえ投資単体では赤字でも、節税効果でプラスになればOKと考える人もいます。確かに最初の数年は節税が期待できますが、数年後には痛い思いをすることになります。

 

購入時の諸経費や減価償却があるため、最初の10年ほどは節税効果があるのは事実です。しかし、償却期間が終わり、経費計上ができなくなるとかえって税金が増えてしまいます。たとえ家賃収入があっても、税額の増加が大きすぎるために黒字倒産してしまうケースもあります。

 

中には、償却期間が終わる10年後に物件を買い取り、税金が増える前に手放せるという業者もありますが、いくらで買い取るのかは業者次第です。安く買い叩かれてしまう可能性も高いです。

 

そもそも投資を節税とは相反するものです、短期的に見れば税金を相殺することもできますが、基本的に収入が増えれば税金は増えるものです。
不動産と節税が強く結びつくとすれば、それは土地の相続税です。マンションのオーナーにはあまり関係のない話です。

 

マンション投資で税制の優遇を受けるにはある程度の規模が必要

投資と節税は相反するものと説明しましたが、一定以上の規模になれば税金の優遇措置を受けられるようになり、節税につなげることができます。

 

不動産投資が事業規模とみなされるのは、戸建てなら5棟以上、マンションの場合10部屋以上の場合です。事業規模となった場合のメリットには。以下のようなものがあります。

・青色申告特別控除で65万円
・家族への給与が経費にできる
・回収できない賃料を必要経費にできる
・取り壊し等の損失を全額経費にできる

 

残念ながら、一部屋限りのマンション投資ではこうしたメリットを活用できません。

 

資産価値が低い

マンションでは土地を全室で按分するため、一部屋あたりの土地の資産価値というのはほとんどありません。資産価値のほとんどを建物が占めることになります。
建物の持つ資産価値というものは、時間経過とともにどんどん下がってゆきます。

 

不動産といえば資産価値が下がりにくいもの、というイメージを抱いている人もいますが、それは土地の話です。建物は古くなればどんどん資産価値が失われてゆきます。不動産を売却するころにどれだけの価値が残っているかをよく考えなくてはなりません。

 

金利が高い

マンションを購入して投資を行う場合、銀行から融資を受けるのが一般的です。

 

しかし、区分マンションは銀行からの評価が低く、借入先が限定されてしまいます。

 

新築区分マンションが銀行に好まれない理由は大きく分けて3つです。
まず、新築物件というのはプレミア価格です。物件の購入価格よりも審査価値の方が2割から3割ほど低いです。そして、土地の持分がほとんどなく、建物比率が高いため、時間経過で失われる資産価値も多くなります。

 

不動産の場合、物件を担保としてローンを組みます。しかし新築の区分マンションの場合、購入時点で購入価格が資産価値を上回っているだけでなく、担保になるはずの物件の価値もどんどん失われてしまいます。銀行にとっては、あまり良い融資先とはいえません。
融資金額が高くないのも銀行にとってはデメリットです。銀行からすれば、2000万円貸すのも5000万円貸すのも手間はあまり変わりません。同じ手間をかけて融資を行うなら、より大きな融資に力を入れた方が効率的です。

 

そのため、区分マンションのために融資を行ってくれる銀行は多くありません。選択肢があまり多くないため、金利を選ぶ余地もなく、高い金利でローンを組むしかなくなってしまうのです。

 

ちなみに、物件の規模にたいして取引コストが大きすぎるというのは銀行だけでなく、オーナーにとっても同じことです。
不動産は買うにも売るにも手間と費用がかかります。物件を探し、不動産業者と契約し、ローンを組み……こうした手間はマンション一部屋買う場合も一棟丸々購入する場合でも同じだけ必要になります。
たった一部屋に膨大な手間ひまとお金をかけるよりも、複数の部屋をまとめて暑かった方が効率的なのはいうまでもありません。

 

ワンルームマンションは出口戦略が少ない

不動産投資に行き詰まった際、取れる選択肢は次の4つです。

 

・リノベーション
・建て替え
・買い替え
・撤退

 

マンションである以上、まず建て替えは不可能です。また、ワンルームとなると、リノベーションしても変化が少なく、あまり効果は期待できません。
取れる選択肢は買い替えか撤退、つまり物件を売るしかありません。

 

新築ワンルームマンション投資のリスク

投資を進める不動産業者はさまざまなメリットを羅列し、言葉巧みに引き込もうとします。

 

確かに不動産投資に多少のリスクはつきものです。しかし、どんなリスクがあるのかを知っているのと知らないのとでは天と地ほどの差があります。残念ながら、不動産業者の説明にはこうしたリスクの説明が欠けています。

 

特に新築ワンルームマンションへの投資は失敗例が多く、安易に手を出すと悲惨なことになります。業者ばかりが儲かるケースが多く、購入者のメリットはほとんどありません。
同じ2000万円を出すのなら、新築を一部屋購入するよりも、中古マンションで何部屋も所有した方が効率的で低リスクです。

 

業者のセールストークにだまされないように、不動産投資のリスクをしっかりと学んだ上で投資をはじめることが大切です。

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