不動産投資の始め方

子どものため、老後のため、生活に余裕をもつためなど、様々な理由で投資を始める人がいます。
投資の中でも安定して注目度が高いのが不動産投資です。

 

しかし、投資についての情報は世の中にあふれるほどあり、専門用語も多いため、初心者にはなかなかわからない部分も多いです。特に不動産投資は始めるのにもまとまったお金が必要となるため、投資の中でも特にハードルが高めです。

 

投資についてまだ良くわからないうちに意地の悪い業者に捕まり、営業トークにのせられるまま物件を購入してしまう人も少なくありません。投資物件の中には、業者ばかりが得をするものも多く、気をつけなければ大損してしまいます。

 

しかし、難しいように見える不動産投資も、基本さえ押さえればそれほど難解なものではありません。不動産投資のメリット・デメリットや、よくある失敗例をみながら、不動産投資初心者が何から始めるべきなのか考えてゆきましょう。

 

メリット・デメリット

不動産投資にはメリットもあれば当然デメリットもあります。それぞれをよく比較してみて、自分にとってメリットがデメリットを上回っているかどうかよく考えてみましょう。もしデメリットの方が大きいと感じるようであれば、不動産投資ではなく一度別の手段を考えることをおすすめします。

 

無理に不動産投資をしないというのも重要な選択です。

 

不動産投資のメリット

不動産投資を行う利点としてよくあげられるのは以下のような点です。

・不労所得を得ることができる
・リスクコントロールが容易
・節税効果がある
・生命保険の代わりとなる

 

なんといっても少ない労力で収入を得られるのは、不動産投資最大の魅力です。
同じ投資でも、株やFXに比べるとリスク管理や投資効率をコントロールしやすいのもポイントで、安定した収入を得やすいです。

 

副業として不動産投資を行うのなら、所得税を減らすことも可能です。確定申告など書類を作成する手間はありますが、減価償却を行うことで不動産による所得をマイナスにすれば、本業の所得と相殺して所得税や住民税を軽減できます。
更に、相続の際は現金よりも不動産の方が評価額は低くなるため、相続税を減らすことにも繋がります。

 

生命保険の代わり、というのは万が一のことがあった場合にローンを完済できる仕組みがある、という意味です。
物件を購入する際は、団体信用生命保険に加入することになります。
これは、ローン契約者が死亡したり事故や病気で重い障害を負うことになったりした場合、保険金でローンを返済できるようにするための保険です。

 

ローンの支払を家族に残す心配もなく、保険金でローンを完済した後は、物件が財産として残ることになります。

 

不動産投資のデメリット

もちろん、不動産投資は良いことばかりではありません。主なデメリットをいくつか紹介します。

 

・まとまった初期費用が必要
・購入にも売却にも時間と手間がかかる
・失敗した際のリカバリーが難しい
・空き室や滞納があると家賃収入がなくなる
・税金が増える場合もある
・物件価格が下がる可能性がある
・地震や火災などのリスクがある

 

マンション一部屋だけだとしても、購入するとなると数千万円もの資金が必要になります。一棟丸々購入するとなると億単位の費用が必要になります。
地方で中古物件を購入するのであれば現金で買えるかもしれませんが、そうでない場合はローンを組むのが普通です。

 

最初に借金をする必要があるため、ある程度の信用がなければ不動産投資は始められません。

 

不動産は購入するにも売却するのにも時間がかかるため流動性が低く、失敗した時にすぐ手放すとはいかないケースも多いです。

 

安定性が高いのが不動産投資の魅力ですが、それは家賃収入が安定している時の話です。空き室が続いたり、家賃の滞納が続いたりして収入が止まってしまっても返済は行わなければならないという点にも気をつけなくてはなりません。

 

人が安定して入っていても、ローンの返済で思っているよりも利益がでない場合もあります。

 

不動産投資のよくある失敗例

初心者に限らず、不動産投資のありがちな失敗例はいくつもあります。その中から初心者が陥りがちなものについていくつか紹介します。

 

新築物件は割高

新築の物件は販促のための費用(チラシ・パンフレットなどの広告や人件費)が上乗せされているため、実際の価値よりも2〜3割高いです。

 

不動産投資を勧められるサラリーマンの多くが、新築マンションの購入を勧められますが、新築物件は購入した時点で購入価格の2割から3割損をするということを知っておきましょう。

 

新築であれば家賃を高めに設定でき、入居者も集まりやすいため、多少高くても取り戻せると思うかもしれません。しかし、新築なのは最初の一人だけです。その人が退去してしまったら、その次の入居者からは中古物件となります。中古となると周辺の物件と家賃を合わせなければ入居者は集まりません。

 

また、当然売却時の扱いも中古物件となります。たとえ購入からあまり時間が経っていない場合でも、購入時と同じような値段は付きません。

 

区分マンション

規模を大きくするのは怖いから、まずは一部屋から投資を始めようという初心者が多いのですが、一部屋というのは安心のようでいてハイリスクです。

 

というのも、一部屋しかない場合、その部屋が空き室になってしまうと収入はゼロです。しかも、新しい入居者を迎えるためにはクリーニングや修繕が必要になります。入居者を探す間もマンションの管理費や修繕費、ローンの支払は続きます。結局、持ち出しでそうした出費をカバーしなければならなくなってしまいます。

 

空き室のリスクを減らすなら、サブリース契約を結べば良いと考えるかもしれません。しかし、家賃の保証額は一定期間ごとに見直しがあります。築年数の経過にあわせて保証額はどんどん減少するため、サブリース契約があっても利益がほとんどなかったり、赤字になってしまったりするケースも多いです。サブリース契約では業者の力が強いため、減額に反対すると一方的に契約を打ち切られてしまいます。

 

評価の低い物件は信用を損ねる

不動産投資のために融資を受けた場合、基本的には購入した物件が担保になります。そのため、キャッシュフローが少なく、低評価の物件では融資を受けにくいのが普通です。

 

しかしサラリーマンの場合、本業の収入が安定しており、属性が良ければその信用を使って融資を受けることができます。
ただし信用で融資を受けられるのは最初の1件目だけで、次からは同じ方法で融資を受けることが難しくなってしまいます。

 

特に利回りの良いと言われる中古物件を購入する際には注意が必要です。建物に資産価値があまりないため、法定耐用年数が過ぎてもローンを返済しているようだと、次の融資を受けるのは困難です。

 

物件を絞って投資するのであれば問題にはなりにくいですが、投資を拡大していく場合は、1件目の融資が足かせにならないような注意が必要になります。

 

不動産投資の利益を得る2つの方法

不動産投資を行うのは、当然利益がほしいからです。
そして、不動産投資によって得られる利益には「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2つがあります。

 

インカムゲイン

預金の利息や株式の配当のことです。不動産投資の場合家賃がこれにあたります。

 

インカムゲインは安定して得やすく、更に不動産投資は株のように価格が急に変化するリスクが低いです。不動産投資の一番の魅力がこの長期的に安定したインカムゲインにあります。

 

家賃収入がどのぐらいになるか考える場合は、まず空室率を考慮する必要があります。10〜20%程度は空き室になると考えておきましょう。
また、不動産運用にはコストがかかります。管理費・修繕費・固定資産税・設備交換費用など、維持管理するにあたってどの程度のコストがかかるかをあらかじめ明らかにしておきます。特に中古物件の場合は、購入金額は安くできるものの、修繕費が多くかかりやすい点に注意しましょう。

 

まとめると、キャッシュフローは次のようになります。
満室時家賃収入×空室率10〜20%-(ローン返済+運用コスト)=利益

 

キャピタルゲイン

不動産を売却した時に得られる利益のことです。

 

不動産を安く買って高くなった時に売るのはバブルの時に流行った手法ですが、素人がキャピタルゲインを狙って投資をするのは困難です。
確かにオリンピック前の特需で高騰している物件はあるものの、都市部の限られた物件の話で、全国的にみれば物件はあまり気味です。

 

基本的に、建物の価値は築年数によりどんどん減少します。土地価格が変わらなければ、物件の売却価格は年々低下するというのが普通です。初心者のうちは、キャピタルゲインは存在しないものと思っていた方が安全です。

 

不動産投資の始め方

戦略を練る

不動産に限らず、投資を始める上で最も重要なのが目標を定めることです。行き当たりばったりでは必ず計画に破綻が生じます。
最終的なゴール地点をまずははっきりとさせ、ゴールにあわせたペース配分を考えてゆきます。

 

戦略を練る上でキーとなるのが「どこまで拡大するか」「どこからどれだけお金を借りるか」という点です。

 

例えば、10年後に300万円の収益を得る場合の計画と、1000万円を目標とするのでは、物件の種類も投資拡大のスピードも全く別のものになります。
また、不動産投資は最初に借金をして開始することになる関係上、どこからいくらまで借りられるかによって取れる戦略が異なります。高い目標を掲げるには、それに十分な信用が必要です。

 

物件の場所や内容を考えるのは規模と融資について考えてからです。

 

物件の決定

物件を選ぶ際に重要なのが、最初に定めた戦略に合わない物件には手を出さないということです。
どんなに魅力的でお得な物件に見えても、当初の計画に合わなければ購入は控えましょう。

 

せっかく戦略を練ってもそれに沿わずに投資を進めてしまっては、あれこれ考えた意味がありませんし、計画が破綻して失敗する原因にもなります。

 

例えば短期間で規模を大きくするという計画だった場合、短い間隔で何度も融資を受けることになります。
ここで高利回りだという古い木造のアパートを購入してしまうとどうなるでしょうか。古い物件は銀行の評価が低いため、物件を担保にするのではなく本人の信用で融資を受けることになります。こうなると、次の融資が受けにくくなり、思ったように事業が拡大できないという事態になりかねません。
もし古い物件をきれいで魅力的にリノベして、高く売ったり家賃をあげたりするのであれば、古いアパートも良い物件ですが、そうでないなら手を出さずに置くべきです。

 

数多く存在する投資物件から良いものを探し当てるのは大変な労力を必要としますが、戦略外の物件を最初に除外してしまえば、物件の候補を絞るのも楽になります。

 

融資

融資してくれる金融機関の決定は不動産業者を通じて行うのが一般的です。しかし、より良い条件で融資してもらうためには、自分で金融機関を探さなくてはならない場面もでてきます。
不動産投資は融資がなければできません。どこから融資を受けるかというのは非常に重要です。

 

参考までに、金融機関ごとの融資の特徴を紹介します。

 

・都市銀行
金利は低め。日本全国をカバーしてはいるものの、個人投資家への融資はあまり積極的ではありません。融資は主に高所得者や資産家が対象です。

 

・地方銀行、信用金庫
金利は都市銀行よりも高めです。融資先は基本的に地元のみ。個人投資家への融資も比較的活発に行われています。

 

・日本政策金融公庫
比較的低金利で融資が受けられます。小規模事業者向けに融資を行っています。銀行に断られたような物件でも融資が受けられる場合がありますが、審査にかかる時間が長いという点には注意が必要です。

 

・ノンバンク
金利は高いです。ただし、他で断られた物件でも審査に通過しやすく、審査時間も短いです。

 

契約

物件を決め、融資のめどが経ったら物件の売買契約を結びます。

 

契約書には様々なことが細かく書かれていますが、しっかりと内容を確認しましょう。契約書をよく確認しないまま契約を交わしてしまうと、悪質な業者に騙される可能性もあります。契約書を読むのが面倒だと言うなら、不動産投資に手を出す資格はありません。

 

抑えておくべき点はいくつかありますが、その中でも重要なものをいくつかあげておきます。

・レントロール
・出費の一覧
・付帯契約
・修繕履歴
・売買代金と手付金金額、支払期日
・引渡日
・面積が公募or実測
・境界杭のチェック
・瑕疵担保責任の範囲
・融資特約
・違約金

 

注目しておきたいのが融資特約で、これがないと手付金が戻りません。
融資特約というのは、銀行からの融資が受けられなくなって契約がだめになった場合の扱いで、特約があれば融資がなくなり契約が白紙になっても手付金が戻ります。万が一のために、特約があるかどうか、期限がいつまでなのかは必ず把握しておきましょう。

 

運営開始

大家業は不労所得と言われることも多いのですが、実際には想像以上にやることが多いです。
管理会社にある程度任せるにしても、どう入居者を集めていくかは自分で考えなくてはなりません。書類作成作業にも思っているより時間を取られます。

 

不動産投資に関する勉強もかかせません。物件を購入した後も常にアンテナを貼り続けていなければ時代に取り残されてしまいます。

 

売却

不動産投資は物件を売却してようやく利益が確定します。
売却して他の物件に買い換えるのか、それとも撤退するのか、売るにしても、そのまま売るのと更地にして売るのでは全く異なります。

 

物件にとって築年数はリスクです。新築で人気の物件も、10年経てば空き室になりやすくなります。そうなる前に売却し、利益を確定してしまいましょう。
計画通りにいかなかった場合も、早めに売却し被害を最小限に抑えましょう。

 

他に考えられる売却のタイミングとしては、大規模修繕工事の前や、周囲の環境が変化する前(工場や大学の移転など)が考えられます。

 

それまで順調に家賃収入を得ていたとしても、最後まで気を抜いてはいけません。

 

初心者の不動産投資勉強法

最初のうちはともかく勉強がかかせません。不動産投資に関わる業者や情報の質にはばらつきがあり、それらに惑わされないようにするためには、知識で身を守るしかありません。

 

不動産投資セミナー

初心者でもわかりやすく、手っ取り早いのが不動産投資セミナーです。

 

不動産投資のセミナーは数多く開催されています。知人や友人のつてを頼るのも良いですが、セミナー専用ポータルサイトや不動産投資ポータルサイトなどからもセミナーを探すことができます。

 

初心者にわかりやすい解説をしているセミナーも多く、疑問点があればすぐに質問できるのが魅力です。しかし一方で、強引なセールスがセットになってしまっているセミナーが多いのも事実です。残念ながら不動産業者がセミナーを開催している以上多少の営業はつきものです。
強引な営業トークにだまされないようにするためには、興味がないものはないとはっきりと断る意志が必要です。

 

書籍

不動産投資の情報はネットで読めば十分と思うかもしれませんが、初心者のうちは書籍から読み始めることをおすすめします。

 

ネットはたくさんの情報をタダで手にいれることはできますが、内容は玉石混交。しかも、初心者ではそれらの良し悪しを見抜くことはできません。
書籍にも質のばらつきはありますが、それでも複数人のチェックが入っている分だけ信頼性は高いです。

 

まずは不動産や投資に関する入門書を3、4冊読み、基本を抑えましょう。その後、投資の方法について書かれた本を5冊から6冊程度読みます。複数読むことで、色々な考え方や手段について多角的に知ることができます。
また、不動産投資には銀行の融資がかかせません。銀行の融資について書かれたものも何冊か呼んでおきましょう。

 

投資家のブログ

書籍とは違い書き手の主観にはなるものの、情報のフレッシュさをスピード感がブログやSNSの魅力です。成功例だけでなく、失敗例についても生の声を知ることができます。
不動産投資だけでなく、融資やリフォームなど、色々なジャンルのブログを定期的にチェックしておけば、最新のトレンドもつかみやすくなります。
有名な人でも、肝心なブログは食べ物の写真と日記ばかりという場合もあります。有用な情報を定期的に発信している人をみつけるようにしましょう。

 

不動産投資はどのように進めるべきか

不動産投資は金額が大きく、融資を受けて開始するため事前の準備が非常に重要です。

 

まずは不動産投資についてよく学び、必要な知識を身につけましょう。勉強は投資を始める前だけでなく、物件を売るまでずっと続ける必要があります。
学びを通して、不動産投資のリスクやその対処法を知り、自分にとってデメリットをよりもメリットが上回っていると感じたら、いよいよ投資の準備を始めましょう。

 

重要なのは戦略づくりです。あらかじめ投資の目標を定めておくことで、計画が破綻したり、失敗したりした際のダメージを抑えることができます。物件選びも目先の利益にとらわれず、ぶれない姿勢で挑めばそう大失敗することはありません。

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